みなさま、こんにちわ。
突然ですが、ジャン=ジャック ベネックス監督の『ディーバ』をご存知ですか?
81年に公開されたこの映画が私は大好きで、すり切れるほど繰り返しビデオを観ていました。(DVDがなかった昔むかしのあの頃)
全編に渡っての叙情的な美しい映像や音楽はもちろんですが、特に印象に残っているのが
憧れの歌姫と若き郵便配達人ジュールが二人で公園(たぶんチュイルリー公園)を散歩するシーンの中で聞こえる小鳥のさえずり。
当時からフランスに憧れていた私の頭の中は、この映画のおかげですっかり『パリ=小鳥のさえずり』
という勝手な形式がインプットされてしまいました。
それ以来、小鳥のオブジェが気になって仕方ありません。
本物の小鳥は飼っていないけれど、数々のオブジェから『ピピピッ』という美しいさえずりが聞こえてきそう。
眺めるだけで爽やかな気分にしてくれる小鳥のオブジェに日々癒されています。
一番最初に買ったのは、
写真左奥の白い鳥。
鎌倉の名菓、鳩サブレのパッケージデザインにちょっと似ているなんとも言えない平和的な佇まいが大好き。
これは、12区のブロカント市で見つけたもの。
素人のおじさんが出店していたがらくたの中からのセレクトで、たしか2ユーロでした。
右奥の金色の小物入れは、ブダペストのアンティーク市にて。
ナポレオンIII世時代のフランス製だと、買った後に知りました。
手前の平たい皿は、ブルゴーニュの雑貨屋のウィンドーで見つけて、しつこく眺めていたら夫がプレゼントしてくれたもの。
ガラスの中の2羽の小鳥は.....
この原稿を書きながら記憶を辿っても、どこから来たのかまったく思い出せないのですが、
なんだか日本の田舎のお土産物屋さんに並んでいそうな素朴でレトロな感じが気に入っています。
長くて暗い冬のパリで、私が『あ、春が来た!』と感じるのが、
ある朝、突然聞こえてくる鳥のさえずりを聞いた時。
歌うように美しい『ピピー』という声の持ち主がいったいどんな種類の鳥なのか名前も分からないし、姿を見掛けたこともなし。
東京では一度も聞いたことがなかったので、
ヨーロッパだけに生息している種類なのかも知れません。(どなたかご存知の方がいたら、是非教えてくださいね)
都会の暮らしの中でも、小鳥の声が春の訪れを報せてくれて、季節の移り変わりを感じられたり、
家のどこかにちょこんと飾ってあるオブジェに気持ちが和んだり。
こんなささやかな幸せを味わえるパリの生活、やっぱり好きです!
Column by 鈴木ひろこ/Suzuki Hiroko
スタイリスト・ジャーナリスト
パリの街をお散歩しながら、モード、人、もの
店などいろいろなカワイイ!を見つけるのが趣味