クラシックや童謡もいいけ れど、ダンス・ミュージックだってそれが“楽しく、心揺さぶられる音楽”でありさえすれば子どもたちは喜んで受け入れるはずーーそんなコンセプトにのっ とって私が主催している子ども連れ同伴の音楽イベント「KID’S DISCO」。普段は原宿のアートスペースVACANTで不定期開催しているこのイベントを、この夏は国内最大級の音楽フェス、サマーソニックのキッズエ
リアで敢行! 子ども連れしか入れないディスコイベントを繰り広げました。
DJ陣は、日本で一番忙し いDJとして知られるMOODMANさん、オリジナルなスタイルで日本の音楽シーンを牽引するG.RINAさん。さらにはなんとフランスでいちばんヒップ なレーベルED BANGER RECORDSの総帥BUSY P(a.k.a. Pedro Winter)! BUSY
Pは、彼がダフトパンクのマネージャー時代だった頃からの知り合いで、本国でも子ども相手のDJを不定期で行っています。とは言え超多忙な彼なので、だめ もとでオファーしてみたところあっさりオーケー。ほかのお二人は以前にもKID’S DISCOの趣旨に賛同して参加してくれた既知の方々。みんなカルチャーというものへの理解やリスペクトを持って活動している人ばかりです。エドュケート
というとおこがましいのかもしれないけれど、子どもの頃からいいものをたくさん知って育っていってほしいという気持ちで、D.I.Y.なこのイベントに参 加してくれました。
しかも子どもは大人よりシ ビア。楽しくなければそっぽむくし、大人相手のアンセムだって通用しない。空気を読めなんて到底無理。DJ陣にとってもかなり手強い相手です。けれど、み んなそれぞれに本当に良質なダンスミュージックをかけて、子どもたちをロックしてくれました。MOODMANさんはすべての曲をアナログでかけてくれ、最
後はMJの”スリラー”という大人もうっとりの選曲。G.RINAさんはぬいぐるみを手にワールドからヒップホップまでをがっつり。楽しくなって、ずっと CDJを一緒になってまわし続けてる子も。圧巻だったのはBUSY Pで、なんとうさぎの着ぐるみを着てのDJ参戦! 突然現れたうさぎに子どもたちが狂喜乱舞。DJをやりながら子どもたちと一緒にダンスまで繰り広げてく
れました。もちろんラストはダフトパンク! 汗だくになって着ぐるみを脱いで、「楽しかった!これくらいやんないと盛り上がらないでしょ!」の台詞には感 涙でした。来ていただいたパパママ、キッズたちもスタッフもみんな笑顔でイベント終了。
音楽やアート、つまりはカ ルチャーって一見生活に必要ない無駄なものに思えるかもしれないけれど、きっと将来どこかで子どもたちを支えてくれるはずだし、様々な物事の感じ方や見方 にも大きく関わってくるはず。押しつけはしないけれど、吸い取れる土壌は作っておきたいと思います。無駄のない人生なんてつまらないし、同じような考えを
もって一生懸命になってくれる友人がいるなんてすばらしいなと、うさぎの抜け殻を持ちながらしみじみ思ったのでした。
『Today’s Set List』
Mark Ronson”Bang Bang Bang” /Chiddy Bang”Opposite of Adults”/DJ Shadow ft Mos Def”Six Days”/Attica Blues”Oh La La La”/Phoenix“Too Young”/ Justice”D.A.N.C.E.”/Daft Punk”Around The World”
Column by 桑原亮子/Kuwahara Ryoko
エディター/KID'S DISCOディレクター
カルチャー誌のエディターを務めながら、原宿のアートスペースVACANTにて
こども同伴音楽イベント「KID'S DISCO」を不定期開催
4歳の息子と2歳の娘と踊りまくりの毎日
10月10日には、ベックやファットボーイ・スリムらのMVを手掛けたガース・ジェ ニングス監督の映画
『リトル・ランボーズ』の公開を祝って、「KID’S DISCO for RAMBOWS」をVACANTにて開催!
http://event.n0idea.com/post/1141973514/we-are
http://rambows.jp/
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