フランスのマタニティシステムで驚いたことといえば、もちろん診察料、検査料、分娩費用が全てただということ!当然診察時に23ユーロから30ユーロ支払うものの、carte
vital(健康保険証)を持っていれば何週間後かには100%返金されます。ちなみに2010年現在、東京都内では毎月5000円の検診料が補助されるものの、結局毎回、補助外の検査料だ出血トラブルだので月に何度か5000円以上は自腹で払っていた私。さらに、妊娠30週後半にもなると、入院費約50万弱を一挙に収めなければならない?これじゃあ世の仕事を持たない妊婦が困って、病院に行かないことがあるという噂もあながち嘘ではないかも?と思うのだった。
私は妊娠21週目にして渡仏。フランスの妊婦が急遽しなければならない手続きは、decralation
grossesse(妊娠申告)を提出する為にcabinetで診断書を出してもらうこと。そこで妊娠していることが認められると、毎月の無料診察&検査ほか、8カ月目の妊婦には約900ユーロ程の政府援助金がおります。その後、病院選びをして、検診を受けられるように。毎回の妊婦検診の後日には、近所のlabolatoireへふらりと立ち寄り採血することが義務づけられ、イヤと言う程トキソプラズマ、尿検査をする入念さ。赤ちゃんの顔や身体の細部まで入念に見られる3Dも無料で受けられた時にはさすがに感動したのだった。
こんな、ナイスフォローなフランスのマタニティシステムに私は結構満足。
そろそろ出産日も近づいてくると、今度はマタニティコースに通い始めることに。コースでは、無痛分娩講座や、呼吸講座、ジムナスティックなどを受講。日本での呼吸法といえば、「ヒーヒーフーッ」という誰もが知るものがある。ところがフランスでは、「鼻からスーーーーーッ、口から思いっきりフーーーーーッ」をゆっくり繰り返すとのことだ。講座に出席した妊婦全員が、「陣痛が来ました、さあ始めて下さい!」というインストラクターの合図の元、何の恥じらいもなくその呼吸を実践したりする。ジムナスティックでは、靴を履いたまま(なぜ?)ヨガマットに仰向けになり、脚を上下に下ろす運動をします。ただ、専門用語が連なるので、悲しいことに私はほとんどイメージで理解するしかなかった。「何かの筋肉が緩むといけないから、それを引き締めることを心がけましょう」と理解しようものなら、その「何か」をクイズ形式で日本の出産経験済みの友人に確かめたりして確認をとるさま。
フランス de マタニティライフ後半へ続く>>
column by 下野真緒/Shimono Mao
1977年東京生まれ
女性ファッション誌で編集に携わった後、2009年南仏&パリへ留学。
フリーランスエディターを続ける傍ら、2010年6月にフランス人と結婚
南仏ピレネー近郊に住む。現在出産を控え、新人ママへの道まっしぐら!