2人目の子供が生まれて、狭くなったパリ中心のアパートから念願の庭付き一軒家に引っ越して早いもので8年。
当初、周囲の環境、学校、友人やパリの街から離れる不安等を抱えながらの、郊外生活だったけれど、まるで小さな村のような近所づきあいや、朝夕 の鳥のさえずり、カタツムリ、蝶、ハリネズミなどの昆虫や小動物との日常がすっかり定着した。
私たち家族のような、元パリ族も多く新たなコミュ二テイー が生まれている。
青い空と柔らかな太陽に恵まれる5月の週末は、あちこちから、いいにおいの煙が漂ってくる。
そう、待ちに待ったバーベキューの季節。
フランス人、実はバーベキュがー大好きなのだ。
一軒家にはよく備え付けバーベキューがある、そうでなくても、ほとんどの家がバーベキュー台を持っているんじゃないかと思う。
そして、うちにもちゃんとある。備え付けのが。
早速、友人家族と一緒に、week-endバーべキュー大会を企画。
郊外のスーパーではこの季節必ずと言ってよいほど目立つ場所に”バーベキューコーナー”が設置されている。
内容は、とにかく肉、肉、肉。
串刺し、鳥もも、ソーセージ、そして日本にないけれど、フランスでは定番のメルゲーズ。
これは、羊の肉を 使ったスパイシーなソーセージでもともとは、アルジェリア、モロッコなど北アフリカでポピュラーな食材だけど、今やフランスのバーベキューには欠かせない というか、主役だったりもする。
これも、多民族国家フランスならでは。
私たち日本人は、やはり野菜が欲しいので、ジャンボナスやピーマン、そしてじゃがいものホイル焼きを追加。
火を用意するのは大体パパの役なんだろうけど、うちのパパは、毎週末仕事なので自分でやるしかない。
ちゃんとできるかかなり真剣勝負。炭の火加減調節に夢中で網の位置が変えられるという事をすっかり忘れていた。
もう少し上にしておけばもっともっと美味しいメルゲーズだったのに。
ごめんなさい、皆さん。
義理の弟はバーベキューのプロといってよいほどの腕前。
4月のヴァカンスで行った田舎でやったバーベキュー、もっとちゃんと見ておけばよかったと今になって大後悔。
でも、彼自慢の鶏肉の味付けレシピだけはしっかり覚えてきた。焼く前にマスタードをたっぷり塗るのがコツ。
そして塩コショウもしっかりと。
子 供に辛すぎるのでは?と心配だったけど、これが焼くとうまみに変化。日本のからしと比べると、フランスのものはまろやかなので、かなり思い切って塗っても 大丈夫。
コショウが苦手なうちの子たちもこのレシピの大ファン。
「これ、あっついよー」て言いながら手でつかんでガブリっていうのがまたおいしい。
失敗は成功のもと。次のバーベキューはもっとうまく出来るはず。
でも、やっぱりできれば男性陣に任せて真剣に食べる側になりたいな。
日本でよくやった、海辺の潮風に吹かれてのバーべキューも最高だけど、パリのバーベキューは、もしかすると長い暗い冬からやっと解放された”喜びとお祝いの行事”的な役割があるんじゃないかな、とみんなの笑い声を聞きながら思った。
FNACなどの大手の本屋さんでも最近は、バーベキューのバラエテイーを紹介したクッキングブックが勢揃いしてるので、こちらもぜひ覗いてみて。
column
by ジャックゴルノー 純子/Jacgorno Junko
アクセサリー・デザイナー/たまにコーディネーター
2007年よりヴィンテージパーツを使用したアクセサリーブランド”j.jacgorno”をはじめる
作品はクリエーターが集まる展示会やマレ地区のブティックCULOTTE紹介
娘二人の母でもある
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