6月下旬に私がアートと出会った場所...それは、美術館でもギャラリーでもありません。また、日本でもお馴染みのCafeの展示スペースでもございません。どこだったかというと...
ズバリ、 ”一般住居”!
ポーランド人カップルのお住まい、シェーネベルクのアパートだったのです。今回、展示の場所を提供しオーガナイズしたのは住人のMagdalena(マグダレーナ)。日本美術の研究者で、早稲田大学に留学経験あり。
彼女の本棚には他の言語に訳されてないオリジナルの[青山二郎全文集:上下][加藤唐九郎の自伝:土と炎の迷路]など多数発見!こりゃ、タダ者ではないな...と思っていたのですが案の定、母国語をのぞく、英語、ドイツ語、そして日本語を流暢に話せる才女だったのです。
そして、展示を行ったのはベルリン在住のアメリカ人アーティスト、
Vajra Spook (バジュラ・スプーク)。写真だけではなく、ビデオ・インスタレーションの作品も作っています。5月にギャラリー、ESSAYS AND OBSERVATIONSでのグループ展を終え、今回の住居での展示は彼自身、実験でもあったようです。
大きく引き延ばされた写真がリビングルームに3点ほど飾られ、アンティークのワークデスクの上に置かれたゲスト用のフード類まで、なんだかアートの一部に見えてしまう不思議な感覚。寝室に飾られた写真はクラシックな絵画を彷彿させる美しい色目。キッチン・スペースには小さめの作品がズラリと並んでいました。
ギャラリーのオープニングでは関係者ばかりで、時によっては見る側がなんだか緊張してしまい、楽しめないことも少なくありません。
しかし、今回はゲストにアーティストやフォトグラファー、デザイナー等、クリエイティブな仕事に就かれている方もいらっしゃいましたが、同じ割合で法律を 学ぶ学生グループや大学での研究職の方々もおられ、同じ業種で固まることもなく深夜まで大いに盛り上がったのでした。その他、興味深かったのは多国籍ゲス トだったこと。ドイツ人はもちろんのこと、ポーランド人、イギリス人にカナダ人etc...会場はドイツ語と英語だけではなく、他の言語も飛びかっていました。
何と言ってもこの日のメインはアートの展示です!Spook氏に伺ったところ作品購入や展示のお問い合わせが数件あったそうです。
私はこの見せ方の手法を見習ってDILL objectsの逆バージョン、ドイツの方に日本の陶器類をアピールするイベントをしたいと思ったのです。
そして思い立ったらすぐに行動!実は小鹿田焼などの陶器類を少しづつですが集めはじめました。
アーティストの展示とゲストとの交流で素敵な時間を過ごすことができた上、アイディア・ソースまでgetすることができ、大満足な1日でした。
※ 今回、顔写真が写った画像をネット上にアップしてよいか、許可の確認が夏休みに入っているためできませんでした。従って、画像すべて人物なしのものを選んでおります。ご了承くださいませ。
Column
by 藤原恵美 / Emi Fujihara
ベルリン在住、ヴィンテージ雑貨や食器を扱う
DILL objectsのオーナー&バイヤー