「kaji場のスケッチ」をはじめて、これが3回目のコラム、このあたりで自己紹介的なことを書いておかねば、と思いますので、今回はサッカーを題材にしたいと思います。
僕は中学生のときからサッカーを続けているのですが、最近では、(オヤジサッカーですが…)11人のコミュニケーションが如何に大切か、ということを改めて感じます。シンプルな線で構成されたコートの中で様々な人々によって作られる予測不可能なドラマ、手を使わないという奇跡的なルールのもと、11人の個性が絡み合う組織戦。身体能力や才能の違いのなかで、相手をフォローする動き、試合中の声がけ、気持ちのつながりなど、多彩な「コミュニーション」がとても大事だし、それがすごく楽しいのです。これは、オヤジだろうがプロだろうが関係なく、面白いところだと思います。もちろん、僕はプロの経験はないので偉そうに言えないのですが…(笑)
さて、そんなサッカー狂いの私が生涯忘れられないサッカーの試合があります。ドルトムントのSignal Iduna Parkで息子と一緒にた2006年ドイツワールドカップのブラジル対ガーナ戦。僕は、担任の先生に手紙を書き、サッカー好きの息子(当時小4)に1週間、小学校を休ませ、親子でドイツまで試合を見に行ってしまったのです。夢にまで見た、しかも息子とのワールドカップ観戦。試合当日、早めに到着したスタジアムで息子とボールを蹴って遊んでいたら、イタリア、スペイン、ドイツなど、いろんな国々の子供たちが集まり、サッカーボールで触れ合う、という嬉しいハプニングもありました。途中で試合前からすでに酔っぱらったブラジル応援団も乱入したり…こういう風景を目の当たりに、サッカーが「世界のことば」になってるなぁと改めて感動…そして試合。あまりにも強いブラジルに立ち向かうガーナへの大声援に包まれるスタジアムのなか、カカの絶妙なスルーパスにロナウドが反応、そのままゴールキーパーをシザースフェイントでかわし、我々の目の前のゴールネットを揺らしてくれました。
まさにゴールを生むために生まれて来たようなロナウドの大会記録を塗り替える、ワールドカップ個人最多15点目のゴールでした。結局、ブラジル3-0ガーナで試合終了。完璧な試合、感動、感無量。
あれから5年。
あのスタジアムから、ボルシアドルトムントの香川慎司選手(現日本代表MF)という逸材が誕生そして、息子は私と同じようにサッカー狂いになり、来年、サッカーの強い高校に行きたいと言う。これからはじまる人生に、彼はこれからどんな夢を描き、どんな道を歩んで行くのだろうか? 父としては、彼にしか描けない、彼らしい夢を描いて欲しいと願うだけ。
がんばれよ!息子。
column by 梶谷拓生/KAJITANI Takusei
エクスペリエンスデザインを仕事にしてます
技術やデザインやヒトを融合して新しい体験やサービスを創りだす仕事です
サッカーをこよなく愛し、今も地元チームのミッドフィールダーとして活動中
サッカー好きな長男、音楽好きの長女を持つパパでもあります
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