-003.クリスマスの蜜蝋作り

ドイツで、一番いい季節はいつ?と聞かれたら、間違いなく12月!と答えると思います。

 

暗くて寒い日が続いても、クリスマスを待つうきうきした気分はこの月限定。 特に、60ものクリスマスマーケットが立つベルリンでは、マーケット巡りも楽しみです。 なかでも、私が毎年楽しみにしているのが 「ドメーネ・ダーレム」のクリスマスマーケット。 なぜって、ここには、色々な「つくる手」があるからなのです。

「ドメーネ・ダーレム」は、ベルリン市の南西部ダーレム地区にある農業博物館。 敷地内にはポニーや豚などが飼われ、鍛冶や糸紬ぎ、ボビンレースを体験できるコーナーもあり。 クリスマスマーケットは、毎年アドヴェントの週末に開催。 鍛冶や陶芸工房も出店するほか、素朴な手工芸品を売るお店が並び、 カカシがサンタの格好をしていたりと、アットホームな雰囲気に和みます。

 

そして、アドヴェントの時期には、 週末のマーケットのほかに子ども向けのワークショップも開催されています。 その一つが「ミツロウを使って、クリスマスの飾りを作ろう!」というもの。 子どもたちに交じって、私も作らせてもらいました! 20人も入ればいっぱいになってしまう小さな養蜂所には、あまい香りがたちこめています。 テーブルの真ん中に置かれた、琥珀色の液体をすくって 型にそっと流し込んだら、ふうふう息を吹きかけて冷まします。 その後、水を張った洗面器に入れて待つこと20分。 型から外したら、完成です! 固まるのを待っている間に、シート状のミツロウに芯を巻き込む簡単ろうそく作り。

 

お父さんと一緒にろうそく作りをしていたのは、6歳のレオポルド君。 おばさんが趣味で養蜂をやっていて、彼女へのプレゼントを作りに来たのだとか。 「私の叔父も趣味で養蜂をやっていたから、この子が養蜂をするようになったら3代目ですよ」 とお父さんはにっこり。 お父さんの大きな手と一緒に、ゆっくり押し丸めたミツロウのシート。 ちょっとぺとぺとして

手もはちみつの匂い。 自分で作ったろうそくに灯をともして祝うクリスマスは、きっと特別な思い出になるでしょう。

 

 

 

 

 

info:
http://www.domaene-dahlem.de
ミツロウのワークショップは、アドヴェント期間の火曜日と水曜日、16時と17時30分に開催。
作った分に応じて料金を払うシステム。
ツリー飾り6個セット、2,5ユーロ~
要予約。

Column by 河内秀子/Hideko Kawachi
ベルリン在住のライター&コーディネーター
2000年から渡独。ベルリン美術大学在学中からライター活動を始める
好きなものはテレビ塔と蚤の市、活字
www.berlinbau.net