-007.オキナワ音階が流れる時

   空港で見かけたオキナワらしさ満載のポスター           名護から見た水納島、晴れてきた!

 

オキナワの民家の門には、こんな風にシーサーが鎮座している
オキナワの民家の門には、こんな風にシーサーが鎮座している

もう何度オキナワに来たことになるだろうか?

 

石垣島や小浜島などの離島を含めると、もう20回近くかもしれない。最初に来たのは19才、大学1年の時。確か京都から自転車に乗って鹿児島まで行き、そこからフェリーに乗ってオキナワにやって来た。あまりにアスファルトが高温になるため、何度もタイヤがパンクし、最後はヒッチハイクに切り替えて島内を巡った。そして、いろんな人たちとの出会いがあった。

那覇空港に降り立つと、3月初旬にもかかわらず、生暖かく、少し海の湿気を含んだ空気を感じる。と同時に僕の頭にはオキナワ音階が流れてくる。深いのに軽い、影があるのに美しく、明るい音階。激しい台風やスコールがあっても、晴れた時には青い空と美しい海しか見せない、そんな沖縄の気候風土が深く染み込んだような音階。

美ら海水族館の外で見かけた、美しい青い鳥
美ら海水族館の外で見かけた、美しい青い鳥

ここでは、東京では感じることが難しい、自然の美しさを実感することができる。そして、それを感じる感覚がとても大事なんだと改めて実感する。サステイナブルや低炭素社会とかというロジックではなく、この海や風が与えてくれる美しく、心地よく、自然と一体と思える感覚の確かさは人間がいつになっても失ってはいけない、とても大切な原始感覚のような気がしてくる。そして、海辺で遊ぶ子供達のはしゃぐ声は、それを証明している。

 

東京では、全く予定を立ててこなかった長男が、2日目には海に潜りたい、と言い始める。長女は、シーサーを作りたいという。私たち達は、もともと自然と戯れたいのだ。そして、僕たちはオキナワの海を潜り美しい魚たちと戯れ、オキナワの土と戯れる。ずっとずっとこんなシンプルなことが楽しめる美しい自然を持ったオキナワでいて欲しい。そして、また、東京という都会にいてもそういう美しい自然を大切に思い、素直に自然を美しいと感じられる人でありたいし、あって欲しいと思う。

息子、娘、私の3作品(誰がどれかはヒミツです)
息子、娘、私の3作品(誰がどれかはヒミツです)

東京でオキナワの海風を思い出していたら赤く焼かれたシーサーが届いた。雄のシーサーは大きな口を開けて福を呼び込み、雌のシーサーは口を閉じ福が逃げないようにするらしい。うちの子たちが創ったのはみんな口を開けた雄のシーサー、まだまだ、もっともっと福が欲しいらしい…。

僕の頭の中で、また、オキナワ音階が流れ始めた。
今夜は泡盛だな。

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column by 梶谷拓生/Takusei
 KAJITANI
エクスペリエンスデザインを仕事にしてます

技術やデザインやヒトを融合して新しい体験やサービスを創りだす仕事です

サッカーをこよなく愛し、今も地元チームのミッドフィールダーとして活動中

サッカー好きな長男、音楽好きの長女を持つパパでもあります