-014.お宅訪問 - 光あふれる家

私の運営するDILL objects ブログに『お宅訪問』という名のカテゴリがあるのですが、今回はこの『お宅訪問』をchocolat magに移してお届けしたいと思います!

先月、2年ぶりに日本に帰国したのですが数名の友人から折角だから地元の広島に帰省した際はトクさん夫妻 (徳山さん夫妻) の家に行ってみたら? 谷尻 誠さん (Suppose Design Office) による新築なので、コラムで紹介ができるだろうし、久々の再会にも良いと思うよ。というアドバイスを受け、帰国前にアポを取り、取材の承諾を得て訪問してきました。

 

ちなみに徳山夫妻は私がビームスに勤めていた頃の元同僚です。谷尻氏を知ったのはビームスに洋服を買いに来られるお客様としてでした。余談ですがその当時、谷尻君のアルバイト先のお店に飲みに行こう~!ということになり数名の同僚と共に居酒屋だったか焼き鳥屋だったか、明確に覚えていないのですが、食べに行った事があります!(私がまだ23歳前後の若かりし頃の話です…)

その後、建築家として活躍してると友人伝いに聞いた事はあったのですが、そこから随分と時間が経過し、最終的には Chocolat papa 学さんの OPENERS 連載記事『carnet de jardin』を読んでいた際、たまたまページ下のナビに見覚えのある顔と名前が!! 建築家として大活躍している谷尻さんをWeb上でベルリンから知ったのでした。

前置きが随分と長くなってしまいました。本題の徳山邸の紹介に入りたいと思います!

徳山ファミリーはお子さんが3人の5人家族。お宅は閑静な住宅街の一角で比較的、周囲は新しい一軒家が多いように感じました。その中でも特徴があって、すぐわかったのが徳山邸!建物はいたってシンプルな四角いかたちですが、半透明の不思議な壁の素材は何?まずは1階のガレージに入り、一部カットされた素材を見せて頂きました。

壁に使用されている素材の正体はタキロン社のルメウォール 。耐衝撃強度を有するポリカーボネート樹脂製だそうです。このルメウォールを一部分にではなく、4面を住居に使用したのは世界初では?との事でした。断熱性があるルメウォール ですがその特徴のせいか、玄関から2階にあるにリビングルームに上がった瞬間、何とも言えないぽかぽか感で暖かいのです。そこでは2歳の萬耶子 (まやこ) ちゃんが気持ちよさそうにお昼寝していました。

 

リビングルームに面したオープンキッチンは料理しながら家族と会話ができる、横に広々としたデザイン。キッチン端の白い柱に飾られていたお子さんのカラフルな形と色の絵は非常にセンスが良く、インテリアのために絵画やポスターを購入しなくても、子供の描く絵を飾れば立派なアート作品としてお部屋のアクセントになるんだなと思ったのでした。

他には各お部屋にさりげなく良い家具や椅子が使われている点が気になりました。リビングルームにはアルヴァ・アアルトのartek テーブル。子供部屋にはグリーンのコロンボ・チェア。中でも、印象的だったのが、柳宗理デザインで有名なバタフライ・スツールの上に椎茸を置いて屋内乾燥中だった事!市販されている干し椎茸の大半が機械乾燥との併用と聞くので自らの手で天日干しするのは良いアイデイアですよね。

窓自体が大きくなくても4面から光がた~っぷり入る徳山邸。暗くなってしまう部屋がない上、かなりギリギリまで自然光を楽しめます。太陽と共に起き、暗くなってくると体の睡眠準備に入れるお宅... 私は家を中をぐるりと歩きながら幼少期に自分が過ごした家を思い出したのでした。キッチンが日中でも電気が必要でジメジメしていた事を!

子供時代に家族と過ごした『家の記憶』は残るとよく聞きますが私自身、幼少から中学3年生まで過ごした家が物語の舞台となって夢に出てくる事もある位、しっかりと記憶にあります。後にシロアリでやられた柱の質感から、日が射さなかったキッチンの空気感まで...

その点、私と違って徳山家の子供達は今後成人し、親から独立した後は"光あふれる"居心地の良い空間の『家』を思い出すのでしょうね!

Column by  藤原恵美 / Emi Fujihara
ベルリン在住、ヴィンテージ雑貨や食器を扱う
DILL objectsのオーナー&バイヤー
www.dill-objects.com

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コメント: 1
  • #1

    磯永聖次 (土曜日, 13 5月 2017 03:24)

    はじめまして、タキロンシーアイの磯永ともうします。先月の4月からシーアイ化成と経営統合してタキロンシーアイ株式会社となりました。私は数年前に一級建築士として入社させていただきました。現在、戸建て住宅のサスティナブル改修仕様を東大川添研究室と検討しており、勝手なお願いで恐縮でございますが、一度見学をさせていただけないでしょうか?ご健闘の程よろしくお願い致します。
    磯永聖次
    seiji.isonaga77@gmail.com
    090-7175-8809