Sónar 2012

みなさんこんにちは。

 

バルセロナはもうすっかり夏の陽気になりました。 午後の子供たちのおやつに冷たい果物が美味しい、なかなか悪くない季節です。 みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

さて、去年の今頃、SonarKidsの話題を投稿しましたが(http://www.chocolatmag.com/2011/07/03/002-sonarkids/)、
今年もとても面白い展開になったので、みなさんにご報告したいと思います。

実は去年までのSonarKidsは大人向けの音楽イベントSónarと同じ会場で日付だけずらして、 バルセロナ現代美術館とその隣のカタルーニャ文化センター、その間の中庭を会場にして行われていたのですが、 スペインの大不況の余波なのか、近隣からの苦情があったのか、今年の開催は実は危ぶまれていたのだそうです。 (大人のSónarはもちろん大盛況なのでそんな心配はいらないのですが)

ところがそこへ、バルセロナから北へ車で2時間ほども行った海辺の小さなEl Port de la Selva(エル・ポルト・デラ・セルバ)という町の町長さんが、 「SonarKidsをうちの町の海岸でやりませんか」と主催者に話を持ちかけてトントン拍子で話がまとまり、 今年のSónarKidsは無料!El Port de la Selvaまでみんなで来てください!という告知が開催直前に、 主にネットを通じてあっという間に広がったのでした。

 

このEl Port de la Selvaは夏には観光客でごった返しますが、オフシーズンはとても静かです。 もしもSonarkidsをここで二日間開催したら、ホテルやレストランなどに沢山のお客さんが訪れて 税金収入も上がるはず、という計算のもと、町と鉄道会社がスポンサーになって、 入場無料という太っ腹な企画が実現しました。

 

車で出かけると、高速道路を降りてから細い海岸沿いの道をくねくね行くのが乗り物酔いのある子供たち(つまりうちの温)にはちょっとつらいところでしたが、 たどり着いてみるともうこんな感じ。開催日は5月の26、27日の二日間でしたが、皆すっかり日光浴の準備をしてきています。

この場所での開催の何と言っても素敵なところは、文字通り海岸でコンサートが行われていたところ。 水もまだ冷たいかな、と思ってタオルだけ持参で水着は準備して来なかったのですが、イウもパンツ一丁でこの通り。 後ろの子供も服のまま水に入ってますね。これ、川の水みたいに冷たいんですよ、一応。

まあ子供だしいいか、ということで裸でいる子もたくさん。 写真だとわかりにくいのですが、こうして水際で遊んでいる間も、すぐ横でコンサート。 リラックスしたムードの中で、聞きたい人は聞いて、遊びたい人は遊んで、 寝ながら音楽を聞いていても、水の中で踊っていても、何でもオーケーです。 みんな本当に楽しそう。

 

そして好みの音楽が聞こえてきたら、ステージに近づいて、アーティスト達をもっとよく見ればいいのです。 子供も大人も真剣に歌と踊りの練習です。 子供用のもう一つの楽しいワークショップはTシャツ作り。 温はもっぱらこれと砂遊びに夢中でした。
去年も一緒にSonarKidsを見に行ったブルーノ君(現在1歳と7ヶ月)も すっかり大きくなりました。去年はスヤスヤ昼寝をしていたのが、今年はお父さんの肩に乗って、アグレッシヴに踊っています。

 

私達が一番楽しみにしていたのが去年も書きましたがこのBrodas(ブローダス、と読みますが、Brothersのローマ字?読みです 笑)の ダンス・ワークショップ!トークも面白いので、どんどん人が集まってきます。 今年彼らの頭がちょっと大きめなのは、カップグロス(デカい頭、あるいはおたまじゃくしの意)と呼ばれる、 こちらの伝統芸能の技術で作ったお祭り用のお面をかぶっているからです。 怖いくらいリアルですが、どうやら本当に中にいる人の顔に似せて作ってあるようです。

コンサートの最後は80年代の曲をリアレンジして子供に聴かせるMiqui PuigのDJショー。 ちょうどここにいるくらいの大人世代(30代から40代)が踊ること踊ること。

帰りはアイスクリームを食べたあと、子供たちも車内でぐっすり。 本当はもうちょっとバルセロナに近いといいけれど、浜辺でSonarKidsというの、ぜひまたやってほしいなあと思っています。

 

そして追記は大人のSónar。
子供が生まれてから久しく行っていなかった大人Sónarに、昼の部ですが行って来ました! 子供たちが学校に行っている間に大人たちが遊びに行く、っていうのがなんだかワクワクしますね~(笑)。

そしてここにもやっぱり子供がちらほらと。 平日の昼間だったので、地元の子供達ではなくて観光客なのかな? これまで知らなかったのですが大人のSónarは7歳まで入場無料。 ただし大人向けのコンサートは音量が大きいので、この写真の子供のように、ヘッドフォンをかけて 耳を保護することを勧められます。 子供が真剣に音楽好きな場合は良いですが、ものすごい人の量だし、うちの子たちを連れてくるのは雰囲気的にはちょっと辛いかな?

Eltron John、Trust、Flying Lotusなど面白いコンサートをたくさん見ましたが、個人的に一番音楽がかっこ良い!と思ったのは
(そしてみんなをひときわ踊らせていたのは)日本人アーティストのヨシ・ホリカワさんでした。 この日は夫のダビに子供を迎えに行ってもらい、私は昼の部とはいえ夜9時半頃まで楽しませてもらいました。 10時頃まで明るいので昼の部、まさに昼の部ぎりぎりめいいっぱいまで、という感じでしたが。

この原稿を書いている今日6月22日は温の学期末最後の登校日です。 ここからはじまる長い夏休みの話はまた次回。

みなさんも良い夏をお過ごしください。

 

Column by Tomoko SAKAMOTO

カタルーニャ人でグラフィック・デザイナーのダビ・パパと一緒に
ブック・デザインとその周辺を手がけるSPREAD(www.spread.eu.com)

というスタジオを主催する編集者・ママのコラムです
「遊んであげない。一緒に遊ぼう!」をモットーに
6歳の温(おん)と3歳のイウ、の二人の男の子を育てています