-003.古都の中のモダニズム:パリ13区

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古都パリには、都市改革が進むモダンな地区がいくつかあります。その一つ、パリ13区のフランス国立図書館エリアは、夏になると何度か訪れる我が家のお散歩コース。「フランソワ・ミッテラン図書館」の別名を持つこの図書館は、その名の通り、故ミッテラン氏が大統領在任中(1981-1995)に計画されたパリ大改造プロジェクトの一つで1994年に竣工されて以来、この界隈に商業エリア、住宅、大学の新校舎などが次々に建設され、パリの新しい顔として益々注目を集めています。

仏建築家ドミニク・ペローが手掛けたこの図書館は「本を開いて立てたような」イメージで4棟の建物が向い合い、セーヌ河沿いにそびえ立ちます。広大な敷地内には木板が隅々まで敷き詰められ、思わず裸足で歩きたくなるような優しいフロアがこの場所の一番好きなところ。敷地中央に掘り込まれた中庭には、沢山の巨大な木が植えられ、上から、そして地下の回廊から「森」を眺めるように作られています。クールな高層ビルと自然素材の見事な調和、この場所に来るたびに建築の奥深さに感動します。

程よく喉が渇いたところで、図書館前のセーヌ河沿いカフェテラスへ。ノートルダム寺院が見えるセーヌ河の景色とは違って、ここから眺めるそれは、このエリアに相応しくモダンで新しい。折角この辺りまで来たら、セーヌに浮かぶ話題のジョセフィン・ベーカープールで、川面を眺めながらバカンス気分を味わうのもいいかもしれません。左岸のフランス国立図書館と右岸のベルシー公園(Le parc de Bercy)を結ぶシモーヌ・ド・ボーヴォワール橋 (Passerelle Simone-de-Beauvoir)は、2006年に開通した セーヌ河にかかる37番目の橋。2重の橋桁をレンズシェイプに作り上げた、機能的でユニークなデザインが特徴です。この橋も板張りの歩道が心地良く、波のような柔らかい曲線が気分をよりリッラクスにさせてくれます。

新旧が絶妙に溶け合うパリの街。
たまにこんなモダンエリアを遊歩して、新しいパリを見つけるのも楽しいものです。

Infos:フランス国立図書館 (Bibliothèque nationale de France):
Quai François-Mauriac
75706 Paris Cedex 13
Metro6番線  Quai de la gare駅
Metro14番線・RER C線  Bibliothèque François-Mitterrand駅

シモーヌ・ド・ボーヴォワール橋 (Passerelle Simone-de-Beauvoir)
Metro6番線  Quai de la gare駅

ジョセフィン・ベーカープール(Piscine Joséphine Baker):
8 Quai François Mauriac  75013 Paris
Tel.01 56 61 96 50
Metro6番線  Quai de la gare駅
パリ市営案内サイト:http://www.paris.fr/loisirs/piscines/piscine-josephine- baker/p6085

column by Michiko P.
日本、フランスで長年貿易の仕事に携わり
現在は新しいフィールドを模索しながら充電中
暇があれば、銀塩・デジタルカメラを持ってパリを遊歩する
仏人オットと娘2人の4人暮らし