イギリス南部サセックスのサーキット場で毎年開催される
Goodwood Revivalに行ってきました!
クラッシックカー好き、ヴィンテージ好きの強者が集まるこのフェスティバル、
とても刺激的な一日でした。
入場者の装いは1930~60年代頃のものでしょうか。
渡英前に思い描いていたイギリスのカルチャーや人々がリアルにそこに!
紳士淑女やモッズ達、子供達だって鳥打ち帽にツイードジャケット&半ズボン、
ツゥイギーのようなミニスカートにキャットアイサングラスをかけて颯爽と歩くおばあちゃんまでも!
そこはまるで光り輝くスウィンギングロンドン。はたまた紳士淑女の社交場。
皆が粋にファッションセンスを競うように楽しんだ時代に迷い込んだかのようでした。
このフェスティバルはとにかく見所がいっぱい。
数々のストールでは質の良いヴィンテージの洋服や小物がたくさん売られていました。
イギリス大手スーパーTESCOも昔の佇まいでロゴ看板もとてもスタイリッシュ。
TESCOの前に停められた本家本場のモッズ軍団のベスパも圧巻でした。
何時間あっても足りない程ずらりと並ぶクラッシックカー、
歩いても歩いても全て見て回る事は不可能な程、車に詳しくなくともその美しさに圧倒されました。
高すぎるヒールを履いたレディが靴を脱ぎ捨て芝生にペタンと座りソフトクリームを食べていた光景、
とてもほほえましく思わずパチリ。
空を華麗に旋回するエアーショー、飛行機ももちろんクラッシックです。
実際飛行機の中へ入る事が出来たのですが内装の素晴らしい事!かわいい事!
ピンクの客席にピンク×ネイビーのストライプ模様のカーテン、木の床に白いドーム型の天井。
女性の髪型も丁寧にカールをあてられておりシックでモード。
そうそう、50'sの独特なヘアスタイリングを作ってくれるヘアサロンのストールも出ていました。
わたしもやってみたかった!
主催側も参加者も誰もが細部までこだわったお洒落を楽しんで、
質の良いデザインに囲まれて生活していた時代が見事に再現された空間。
今回このフェスティバルに参加してみて改めてこの時代の美意識の高さに感服しました。
音楽も映画もアートも文学も建築もファッションも、喋り方さえも。
すべてにおいて潤いがあり優雅でロマンティックでユニークだった時代。
現代より物質的な面ではうんと貧しかったとしても心持ちが豊だったのでしょう。
未だにこの時代の音楽が愛され、ファッションが愛され、建築や文化が世界中の多くの人に愛されるのは
ひとえに全てが美しいからではないでしょうか?
物が溢れるこの時代、素晴らしいものもたくさんありますが
多くはすぐに使い捨てられて、捨てても惜しくないものばかりです。
全てが出揃った選択肢の多い現代において、
大事なのは自分の美意識をしっかりもって生き方の佇まいを正すという事ではないか?
それが希望に溢れる美しい世界に通じる一つの方法なのではないか?そんな事を考えさせられました。
3日間に渡って開催されるこの恒例イベント、隣接した広場ではキャンピングカーがずらり。
そう、キャンプをしながら週末丸々このフェスティバルにどっぷり浸かる事もできるようです。
キャンピングカーも勿論素晴らしくかわいいヴィンテージで溢れていましたよ。
来年の目標は親子でキャンプ!また一つ楽しみが出来ました。
column by Masae Lamsdale/ラムズデール 昌栄
グラフィックデザイナー/1973年広島県生まれ
都内デザイン事務所勤務を経て、2000年より独立
夫と4歳になる息子、蒼一郎(そういちろう)とイギリス在住
ヴィンテージのデザインやタイポグラフィ、家具が好きで
グッドデザインに基づいたバイイング活動も始動中
イギリスデザイン・ヴィンテージのオンラインショップ&Stillをオープン
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