-008.イギリスの誕生日会

5歳になるマーサちゃんの誕生日会にお呼ばれしてきました。
イギリスでは子供達の誕生日パーティがとにかく盛ん!
まずは子供が招待状を受け取ります。
親は参加・不参加の旨を記載された連絡先に事前に連絡。
顔と名前が一致しないお友達からもじゃんじゃん招待状が届くので、なかなか親としては大変です。
ちなみに招待状の一番下には大抵「RSVP」の言葉が。
これは「レポンス シルヴプレ=お返事お待ちしております」というフランス語の略語。
イギリスの学校では第二国語としてフランス語を専攻する学生も多く、
一般的にも普通に日常会話程度のフランス語を喋れる人が多くいます。
なんとも羨ましい限り!
地元の大きな公園内にあるカフェがこの日のパーティー会場。
ガラス扉を開けると、ピンクやパープルの風船にテーブルクロスもかわいくセッティングされていました。
そしてなにより、それぞれに着飾ったかわいい招待客達とたくさんの笑顔!
まずは誕生日プレゼントとカードを渡して招待していただいたお礼を言います。

 

パーティの始まり!
テーブルには色とりどりの紙やグリッター、ビーズやストーン、羽が用意されていました。
みんなで紙の王冠制作からスタートです。
王冠の型や材料は全てご両親が前もって用意したのだとか。
かわいいパーツがたくさんで誰もが夢中に。
大人にとってもこれは楽しいクリエイションです。

 

糊が乾くまでの間、お次は「パスザパーソル」と呼ばれる子供の誕生日会恒例のゲーム。
みんなで輪になって床に座ります。
音楽に合わせてラッピングされたパーソル(荷物)を隣の子へと渡して行き、
音楽が止まったところでパーソルを持っている子がラッピングを一枚ビリリと破って開けます。
あらかじめ親がラッピングしたそのパーソルには一番真ん中にメインのプレゼントが入っており
一枚づつ上にラッピングをしていきます。
一枚剥がすごとに何か小さなお菓子やオモチャが隠されています。
自分のところで音楽が止まり、パーソルを開ける事ができると小さなプレゼントが手に入るという仕組み。
中には自分のところでパーソルが止まらず大粒の涙を流す子も。
とにかく盛り上がる事請け合いの楽しいゲームです。

 

  パスザパーソルでみんなそれぞれ小さなプレゼントをゲットした後は
(パスサパーソルはあらかじめ人数分のプレゼントが仕込まれているので
全員に何か当たるようになっているのです)
ディスコタイム!!!
みんなでぴょんぴょん跳ねる跳ねる!踊る踊る!
パーティはこうでなくては。笑

 

こうしてありあまるパワーを発散させた後はいよいよパーティフードの時間。
この日はカフェのキッチンから作り立てで温かいとても美味しいピザやソーセージ、
スティック野菜やフルーツ、綺麗にプレゼンテーションされたアイスクリーム等が
ずらりとテーブルに並びました。

 

料理を食べ終え一息ついたところで、メインのバースデーケーキ登場!
マーサちゃんのお母さん手作りの、とてもかわいいアイシングたっぷりなケーキ。
誰もが目をキラリと輝かせ、息をのんでケーキに注目していました。
ハッピーバースデーを大合唱して、主役が蝋燭の火を消すや否や。。。
わーっとあちこちから手が伸びて、あっという間にケーキのデコレーションの
マーブルチョコやらジェリービーンズが剥ぎ取られていたのには笑いました。

 

ケーキの後は飛ぶようにみんな外の公園へ!
この日はセーターにコートにマフラーまでも必要な日でした。
親達は寒空の下、凍えながらも全力で遊ぶ子供達を見守りつつ世間話。
「5歳、みんな大きくなったよねぇ」と。しみじみ。
楽しそうに駆け回る子供達、ほんとうに成長はあっという間。
この日マーサちゃんの輝くばかりの笑顔が見れ写真に収める事が出来たのがなにより嬉しい事でした。

それにしてもわたしの子供時代はこのように友達を多く呼んでパーティといった記憶がありません。
イギリスで初めての子育てをしているので、近年の日本の子供事情は分からないのですが
日本でもこうしたパーティ形式が主流となってきているのでしょうか?
親は大変ですが子供にとっては一年に一度の待ちに待ったイベント。
過剰な事はしたくはないけれど子供達が心から楽しめて
笑顔がたくさん見れるような、そんな場を作る事ができれば親としても嬉しい限り。
この日のマーサちゃんの誕生日会はまさに愛情に溢れたハッピーで素敵な空間で、
親子共々良い時間を過ごさせていただき楽しめた一日でした。

ただ、後日談が。この日を境にわたしはまさかの大風邪でダウン。
一週間以上続く微熱でよろり。
寒さに加え冷たい雨が降ったりやんだりという毎日。
あっという間に冬が来そうなイギリスです。

column by Masae Lamsdale/ラムズデール 昌栄
グラフィックデザイナー/1973年広島県生まれ
都内デザイン事務所勤務を経て、2000年より独立
夫と4歳になる息子、蒼一郎(そういちろう)とイギリス在住
ヴィンテージのデザインやタイポグラフィ、家具が好きで
グッドデザインに基づいたバイイング活動も始動中
イギリスデザイン・ヴィンテージのオンラインショップ&Stillをオープン
http://www.andstill-vintage.com/