-016.レゴで遊ぼう

Angry Birdsの家族大集合。
Angry Birdsの家族大集合。

こんにちは。

 

秋も深まって、地中海気候のバルセロナもさすがにすっかり寒くなって来ましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
長男の温が早くもまあ7歳になって、毎年恒例で「誕生日手作りTシャツ」というのを作りました。
3歳の時からやっているもので、彼がその年で彼なりに書いたり描いたりデザインしたものを、シャツにする、という簡単なものです。

最初は無地のシャツにテキスタイル用のペンで絵を書いていましたが、そのうち少しづつエスカレートして、今年はこんなシャツが出来ました。

現在学校のクラスでも人気で夢中になっているポケモン、その中で7つの気に入ったモンスターをレゴで作って、写真を撮り、Tシャツにできる特殊な紙を文房具屋さんで買ってきて自宅の普通のプリンターで印刷し、アイロンでシャツに付ける、というものです。
こんなに便利で面白い紙があるのですね。

誕生日のプレゼントはレゴが外装材に使われているデジタルカメラ。
いつも私たちがデジタルカメラを向けると「僕にも撮らせて!」と聞かず、実は今までに2台ほどカメラを壊されているので、まあ、おもちゃではあるのですけれど、そろそろ自分のカメラを持ってもいいかも、ということで選んでみました。

こんなレゴづくしの誕生日になったので、今日はレゴの話をしたいと思います。

レゴは多分男の子にかぎらず子供が居る家庭ならほとんど、と言っていいくらいみんな持っているおもちゃですよね。
私達もプレゼントで貰ったり、自分たちで買ったりトーマスやカーズなどキャラクターのついた特別キットを手に入れたりしながら。
最初は「Duplo」という、大きなレゴで遊んでいました。

 

4,5歳くらいになって小さな、つまり普通のレゴを買い始めたのですが、ただサイズが小さくなっただけではなく、カーブやナナメにカットされたピースなど複雑で細かいパーツがぐっと増えて、車など、メカっぽい物を作りたいという気持ちを盛り上げるようにできているのです。
そしてもちろん自由になんでも形を作ることができるのですが、「◯◯の作り方」というマニュアルもたくさんあって、それにそって複雑でかっこいい形を作れるようになっていきます。

左はマニュアルにそってきちんと作ったヘリコプター。不定形のパーツが多くてとても完成度が高いですね。
真ん中はタイヤのないショベルカーならぬショベルタワー。乗り物と建物の合成物なのに、眼や口や鼻などがついているそうです。ふむふむ。

最初はその変化に親ながらになんとなく馴染めず(笑)、簡単な形やきれいな色の組み合わせを使って自由にシンプルに遊べる方がやっぱりいいなあ、などと思ったり、そもそも次男のイウが小さいうちは誤飲などの危険もあってあまり遊ばせてあげられないし、小さなレゴを買ってからも大きなレゴで遊ぶことが多かったのですが、イウが3歳になってから、家族みんなで真剣に小さなレゴで遊ぶようになりました。

子供によってレゴで何を作るか、レゴを使ってどうやって遊ぶか、にはかなり差があります。
次男のイウはとにかく乗り物。

ヘリコプターや車、電車など、できるだけマニュアルに忠実にかっこいいものを親に手伝ってもらいながら作り、それが出来たら走らせたり飛ばせたりしてアクションシーンを何時間も楽しみます。
レゴを作る、という行為はどちらかというと準備段階で、出来上がった乗り物をおもちゃにして、家中のあらゆる場所を線路やら建物に見立てて走らせたり飛ばせたり休ませたり、というのが最も盛り上がる遊び、という感じです。
気がつくとバスルームや台所の小さな隙間にレゴ車が駐車してあったりして、勝手に片付けると怒るので大変です。

左はWall-EとEva。

 

けれども長男の温の方は何か好きなテーマを見つけて、それをどうやって抽象化してレゴで作るか、という遊び方しか基本的にはしません。
シャツの時はポケモンでしたが、Wall-EやAngry Birdsなど、作れるかな、というキャラクターを見つけたら、それを時にはどうやら学校の休み時間などに「何日も」考えて、できるだけ似ているように組み立てているようなのです。
レゴというピクセルを使って立体で絵を描くような感じですね。
これが、大人がやってみると意外に難しく、本物のイメージを「見ながら」ではほとんど絶対にうまくいきません。
ピクセル化するにあたってどの要素を上手にそぎ落とすか、というのが重要なポイントらしく、同じテーマで何度も一緒に作ってみましたが、ああ似てる、と思うのはいつも子供が作ったレゴのほうです。

絵を描くときもそうですけれど、子供の描く絵というのは圧倒的に何かが「足りない」にも関わらず、見ている人の心を打つ不思議な力強さがありますよね。
それなのに絵を描いた子供本人に聞いてみると、すべての線や形にきちんと意味があって驚かされます。

大人になってくるに連れてレゴも絵もどんどん他の人にもわかるように共通言語的なもので作られるようになっていくのでしょうけれど、小さな子どもがそれぞれ勝手に頭の中で作り上げている本当にバラバラで自由な世界観を、本人が忘れてしまう前に少しでも大人が覚えておいてあげたいなあ、と思うのでした。

では次回までごきげんよう。

Column by Tomoko SAKAMOTO
カタルーニャ人でグラフィック・デザイナーのダビ・パパと一緒に
ブック・デザインとその周辺を手がけるSPREAD(www.spread.eu.com)
というスタジオを主催する編集者・ママのコラムです
「遊んであげない。一緒に遊ぼう!」をモットーに
7歳の温(おん)と3歳のイウ、の二人の男の子を育てています