-016.来年を想う

雪が積もる寒い中、墓地を散歩してきました。散歩に墓地?!と奇妙に感じるかもしれませんが、開園時間は決まっているものの、公園と同じく誰でも気軽に入る事ができ(犬は禁止)墓地内には子供が遊べる遊具まで幾つか設置してあります。

実はベルリンに来たばかりの頃は、墓地の敷地内に入れば後にバチ(罰)でもあたるんじゃないかと思い、ドキドキしながら歩いたものです。

夏は草木が生い茂り美しいですが、雪が積もる冬の景色はまた違った美しさ。

冬は家で過ごす時間が圧倒的に増えるため、キーンと張りつめた冷たい空気は『激寒』でも鈍った体をシャキッとさせてくれるので新鮮です。

また、小さな子供が遊ぶ遊具のすぐ近くに墓石が並んでいる環境なので「生」と「死」が共存する何とも感慨深い空気感と冬の冷たい外気が混ざりあい、自分の感情が落ち着くような気持ちになる、今ではお気に入りの散歩コースです。

2012年も後わずか... と思いながら今年を振り返っていろいろ思い出したり、考えたり。

去年から続いているシリアのアサド政権と反政府勢力の内戦。

イスラエルがパレスチナ自治区ガザへ攻撃した事で多数の人が亡くなった事。

そして記憶に新しい、12月14日アメリカ、コネティカット州で起きた小学校での銃乱射事件では20人の子供達が犠牲になりました。

今年が悲しい事件だらけだったと言いたい訳ではありません。

ただ、昔も今も争いや戦争で犠牲になるのは子ども達という事実。

二度とサンディフック小学校の起きた悲劇が世界中の何処にも起こらないように。
そして、地球上の内戦や戦争がなくなりますように。

最後に大好きなジョン・レノンの名曲『イマジン』より。

Imagine all the people
Living life in peace

それでは皆様良いお年を。
2013年もよろしくお願い致します。

Column by  藤原恵美 / Emi Fujihara
ベルリン在住、ヴィンテージ雑貨や食器を扱う
DILL objectsのオーナー&バイヤー

www.dill-objects.com