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20世紀初頭、ピカソ、モリディアーニ、藤田嗣治など世界中の芸術家が集まった場所として知られているモンパルナスエリア。
この地で、名もない貧しい芸術家たちは互いに夢や希望を語りあい、作品作りに明け暮れていたと言われています。
今回はそんな彼らの面影が残る小さな路地"Le chemin du Montparnasse"へプロムナードです。
喧噪のモンパルナス界隈から隠れるようにひっそり佇むこの路地には、100年以上の歴史を持つアトリエ長屋があります。
蔦が絡まり、カンパーニュ(田舎)にやってきたような情緒あふれる雰囲気が心を和ませます。
もともとロシアの女流画家 Marie Vassilieffのアトリエがあった場所で、第一次世界大戦中の1915年、
彼女は貧しい芸術家たちの為の「食堂」をオープンしたことから、次第に多くの芸術家たちが集まるようになりました。
以来、この場所はアーティスト達の憩い、活動の場となり、今もそのエスプリが受け継がれています。
現在、Marie Vassilieffのアトリエ跡はモンパルナス美術館として、またその他のスペースも小さなギャラリーやアトリエ、
住居として活用されています。
今回偶然お邪魔したアトリエでは、ニューカレドニア在住アーティストの合同作品展覧会が開かれていました。
「天国に一番近い島」と最初に名付けたは日本人なのよね、と気さくにお話するスタッフのお二人、
展覧会が終わったらすぐに在住先のニューカレドニアに帰るのだそう。
こんな風に、色んな国で暮らす人達と束の間の出会いがあるのもパリの魅力の一つです。
同じ路地の一画でお花のアトリエ"Lieu-dit"を経営されているフローリスト佐伯美奈さんは、
オーナーになる前からここでお仕事をされていたそうで、かれこれ20年になるのだとか。
朗らかな笑顔でアトリエに招いて頂き、中に入ると看板犬「小雪」ちゃんが愛嬌たっぷりにお出迎え。
お天気が良かったこの日は、アトリエの窓から木漏れ日が入り、窓越しにさりげなく飾られたバラも色鮮やかに映っていました。
お茶を頂きながら私と談笑している間も、美奈さんは手を休めず花に向かいます。
今後は展覧会などアーティスト達にもアトリエを開放していきたい、と語る美奈さん。
Le chemin du Montparnasseは、これから先もずっと芸術家達の交流の場であり続ける、そして守られ続ける、
そんなメッセージが彼女の言葉から伝わってきます。
Infos:Le chemin du Montparnasse(Villa Marie Vassilieff)
21 Avenue du Maine 75015 Paris
Tel.01 42 22 91 96
Metoro:4,6,12,13番線 Montparnasse-Bienvenüe駅 2番出口
入り口の「Le chemin du Montparnasse」の看板が目印です。
モンパルナス美術館(Le Musée du Montparnasse):http://www.museedumontparnasse.net/
花工房"Lieu-dit":http://www.lieu-dit-paris.com/
column by Michiko P.
日本、フランスで長年貿易の仕事に携わり
現在は新しいフィールドを模索しながら充電中
暇があれば、銀塩・デジタルカメラを持ってパリを遊歩する
仏人オットと娘2人の4人暮らし
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