最近、息子が絶好調すぎる。「小学生の男の子」というイメージを地でいっているのだが、それは特に腕白だとかそういうことではなく、目の前のことしか見えてないという単細胞っぷりにおいて。
例えば、2週間にわたり上履きを持ち帰り忘れた息子(JOEといいます。ちなみに娘はAMY)に、「さすがに汚すぎるからこの週末は忘れてくれるな」とお願いしたら、片足だけを持ち帰ってきた。なぜ片足? 事情を聞くと、自分が忘れそうだから友達に頼んでおいた。そして案の定持ち帰りそこねている息子に、その友達が「忘れてるよー」と渡してくれたのが片足だった。それでそのまま持ち帰ってきた、と。いや、そこはさ、もう片足は自分で持ち帰ろうよ。多分その子もそういうつもりで方足を渡してくれたんだと思うんだよね……という具合に「今、目の前にあるもの」だけが全て。
そしてどうやら「類友」というのは何歳でも、いつの世にでもあるらしく、息子の友達もまたかなりの強者たち。待ち合わせ場所を忘れたのにひたすら友達と遊びたい一心でゴールもわからぬまま自転車をこぎ続け、挙げ句お母さんに保護される子とか、本当に驚くほど目の前のことしか見えてない男の子たち。「将来」「予想」「仮に」そういった言葉が一切ない、すがすがしいほどにない。
でもだからこそ面白いところもあって、特に作文なんかはいつも私の思いもつかない斜め上を攻めてくるので侮れない。
「あさがおのたねはちゃいろい。いいねーいいねーとってもいいねー」(入学まもなくの、朝顔の種の観察文)フリースタイルのラップかという趣。韻踏んでるし。先生曰く、「文章になってませんねー」。
「いぬがチャンバラごっこをしています。いっぴきの白いいぬのなまえはホワイト。もういっぴきのきつね色のいぬのなまえはマッチ。ホワイトの好きなたべものはホワイトチョコレート。マッチの好きなたべものはアーモンド。『よくもやったな!カメハメハ!』『まけないパンチアンドキック!』ふたりともめっちゃめちゃ」(年末の「2匹の犬」がお題の作文)犬はチャンバラしないし、カメハメハも出せないけど、なんか面白い。自分の想像、思ったことを素直に書いてて、ちゃんとオリジナルになってる。
さて、そんな息子がいちばん最近書いたのがこんな作文。両親へ、というお題です。
「お仕事がんばってね。ぼくが妹の面倒みるからAMYは大丈夫だよ」
いい子だなー。ありがとう。君の単細胞っぷりや、だからこその素直な優しさは、複雑な世の中でたまに疲れてしまう母を癒し、勇気づけてくれるよ。嫌でもそのうち揉まれて利口になっていくんだろうけど、今はこの猪突猛進っぷりを眺めて楽しませてもらおうと思う。そんな息子のここ一番のお気に入りはThe Blue Herts”Train Train”。なんか、すごく納得。
Today’s Set List
Ben E. King "Stand By Me"/”T. Rex ""20th Century Boy" /N.E.R.D. "Wonderful Place"/
Justin Timberlake "Suits & Tie"/The Strokes”One Way Trigger”
Column by 桑原亮子/Ryoko Kuwahara
エディター/KID'S DISCOディレクター
カルチャー誌のエディターを務めながら
原宿のアートスペースVACANTにてこども同伴音楽イベント「KID'S DISCO」を不定期開催
6歳の息子(もうすぐ7歳!)と5歳の娘と共に過ごす日々
www.n0idea.com
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篠原朋哉 (火曜日, 05 3月 2013 11:03)
『大人は判ってくれない』もんだとばかり思ってました。
でも、少なくともお一人、フランスにいらっしゃることが判りました。