雪
日本もこのところ40年ぶりの大雪?とかで大変だったようですね。バルセロナは数年に一度くらいの割合でしか雪がふらず、この前に降ったのは2008年だったかな?という感じで冬も比較的暖かく、積雪はほとんどないのですが、こんなバルセロナが実は冬季五輪の候補地に立候補していることをご存知でしたでしょうか。実は市内から車で一時間半ほども山へ向かうと、スキー場が幾つかあり、車よりもう少し時間はかかるのですが、バルセロナから電車でスキーに行くと割引になるお得なセット券なども発売されていて、日帰りスキーなんてことも可能なんです。北欧から、暖かい気候とスキーの両方を楽しみにやってくる観光客も相当いるそうですよ。
夫のダビは10代の頃の数年間を、そのバルセロナに最も近いスキー場モリーナの近くで過ごした経験があり、冬は基本的にずっと雪景色なので学校の授業も体育はスキー、という感じだったそう。何年かの間基本的に平日は毎日のように滑っていたので、おかげでスキーはかなり得意になり、私にも、子供達にも滑り方を教えてくれています。
とはいえ8歳の温は一人で滑るのは今年がまだ二度目。去年は一度しかスキーに行けなかったのですが、初めて一人で滑って、その時に日頃ローラーブレードで鍛えている動きがとても役に立つということも分かったみたいで味をしめたので、今年の冬もまた行きたい!と雪がふるのをまだかまだかと待ち焦がれていたようです。
そして今年の冬、12月の末に電車で日帰りスキーを決行。子連れで日帰りスキーはさすがに疲れるかな~と思って今まで試してみたことはなかったのですが、いつもより一時間ほど早起きするのだけがちょっと大変だっただけで、2時間半ほどの車中は遊んだりおやつやお弁当を食べたりでいつものように車酔いもしないし、帰りは疲れて皆ぐっすり昼寝(夕方ですが)で、夜も10時前には帰宅できました。考えてみると泊まりがけで行っても子供達が疲れすぎたり大人たちも筋肉痛だったりで2日続けてスキーをすることはほとんどないので、実は日帰りという選択肢はなかなか合理的でもあり、悪くないなあと思ったのでした。
そのあと先週末、バレンタインデーから、今度は従兄弟たちと一緒に二泊三日で雪山へ。今回のお目当ては、「ナイトスキー」。昼間のリフトチケットの半額以下の値段で、夜6時半から9時半まで、3時間滑れるという、人気の企画なのだそう。たった3時間、とも言えますが、滑る前におやつを食べて、3時間休みなくずっと滑って、終わったら暖かい夕食を、というのはこちらの時間帯的には決してそぐわないものではありません。行ってみると私達だけでなく、家族連れで来ている人たちも沢山。値段がお得なせいか、どうかすると昼間よりもずっと混んでいるような気さえします。
そして驚いたのが、風さえなければ、という条件付きではありますが、決して思っていたほど寒くはなかったこと。ライトアップされたゲレンデは本当に綺麗で、ところどころイルミネーションでライトアップされた木々も素敵で多分恋人同士なんかで来るとかなりロマンチックな感じな気がします。しかも一番麓のステーションにはDJが居て、賑やかな音楽で楽しげな雰囲気満点です。そして個人的にうれしかったのは、暗いのでサングラスも日焼け止めも要らず、翌日髪の毛もゴワゴワになったりしないこと。天気の良い日のゲレンデの日差しが以下に強くて肌や髪や目にダメージを与えるか、夜に滑ってみると逆によくわかります。
△クリックすると写真が大きくなります
今回温はもう最初から3時間たっぷり滑る用意で来たので従兄弟やその両親たちと難しいコースへどんどんチャレンジしていきます。もう私なんかよりもずっと上手でしかも転ぶのも上手いので、怖がったりしないでますます上手になっていくようです。
イウはソリを一応持ってきては居ましたが、今回は5歳だしそろそろ練習を始めようというわけで、初心者コースで特訓です。最初は手取り足取りの練習だったのですが、一時間ほどで「疲れた~もう帰ろうよ~」と言い出すのでやっぱりこんな小さい子に夜スキーは無理だったかなあと諦めかけたのですが、そこで伯父さんがふと「自分で滑らないからだよ。一人で滑れたら絶対面白いって」と言い出して、そこからは一切手をつないだりすることなく口で何度も何度も教えながら自分で滑らせて、二度ほど初心者コースを滑った後、「良し。じゃあもっと上に行こう」とリフトに載せたのです。
結局2,3キロのコースを、大人たちと従兄弟たちに見守られながら一人で滑ることができて、何より本人が一番びっくりしたよう。もちろんゆっくりではありますが、かなり急な坂も、「はいその調子~」とおだてられながらいつの間にか下まで滑っていました。その後はもう一度、初心者コースを今度は自分の好きなように5回滑って時間切れ。クタクタに疲れたようですが、すっかり自信をつけて、得意顔で帰路の途に着いたのでした。前回料理の話をした時に包丁を初めて持たせた時にも思ったのですが、子供というのは本当に、大人が心配するよりもずっといろいろ良く分かっているし、大人が怖がる前にいろいろやらせてみるのも悪くないんだなあとあらためて思いました。次回は多分、もう私よりも上手くなっていることでしょう(涙)。
この日は実は満月の翌日で、月明かりがなかなか綺麗だったことも見逃せません。
みなさんも、いつかバルセロナにスキーしに、来てくださいね。
ではみなさん、ごきげんよう。
Column by Tomoko SAKAMOTO
カタルーニャ人でグラフィック・デザイナーのダビ・パパと一緒に
ブック・デザインとその周辺を手がけるSPREAD(www.spread.eu.com)
というスタジオを主催する編集者・ママのコラムです
「遊んであげない。一緒に遊ぼう!」をモットーに二人の男の子を育てています
コメントをお書きください