Family Portrait

フランスの女は産んでいて、フランスの男は育てている。
というのが、フランスを出生率トップに押し上げたひとつの要因だろう。
一見マッチョ? 新生児から母子別々の部屋で寝る、など、
もしかして子供に優しくない国民性なのでは?
と勘違いしがちだが、フランスで妊娠、出産&子育てをしてみればわかります。
街全体が子供を育てているような、普通の親切さと厳しさのバランスの良さを。

 

そこで、素敵に子育てに参加している
[自分はお父さんになるために生まれたんだ]と言い切るシャルル エドワードさんのインタビューです。

-001.Charles-Edouard BARTHES & Eriko NAKAMURA

中村江里子、子供、子育て、イクメン、パリ
photo©manabu MATSUNAGA

「お父さんは7人兄弟の長男、お母さんは9人兄弟の長女。家族中が集まる日曜日のランチは、それはそれはすごい人数だった」
という大家族の中で育ったシャルル エドワードさん。
「核家族化があたりまえの日本では、夫婦二人の間にひとりの子供が産まれるということが”すごい変化”と受け止められるのはわかる。でも、僕みたいに大家族の中で育ったとしたら、 12人が15人に増えてもたいした変化ではない。育った環境によって鍛えられたというか、人間が増えることに対して受け皿がすでにできているんだと思う。結婚の約束の時に”子供は5人欲しい”と宣言したぐらいに”お父さん業”が心から好き」という。そんな彼がどんな風に子育てをしているか? いろいろとお聞きしました。


親も間違いながら成長していく
 
7年前に長女が産まれてからは、[人間として良い人格]を形成してあげるのが親の役目だと思い、それを軸に子供に接してきた。
はじめは、どんな子供にも全部同じことをすれば良いのかと思っていたけれど、どうもそうではないと気が付いたんだ。
だから長女にはかなり厳しくしていたかもしれない。
長男が産まれたあたりからそれぞれ一人一人のキャラクターを観察して、考えていくようになった。
でも軸になるものは変わらず、伝え方だったり厳しさや緩さだったり、その子に合った接し方を探し続けている。
難しいことだけれど、これからも伝えていかなければならないと思うんだ。
 
本当は苦手だけど今の自分の役割は”お父さんの威厳”を示すこと
 
僕には女の人だからとか、男の人だからというのはあまり関係ない。たとえば、彼女が仕事に復帰して忙しく、僕に時間があったなら、子供のことを一通りやると 思うし、できる。でも、彼女がここ4、5年子育てに集中しているので、彼女が中心となって子育てをしている。
その子育てとは別に、90パーセント好きではないけれど、僕にはいざというときの”お父さんの威厳”を示すという役割がある。
出番は食事の時が多い。テーブルーマナーをとても大切だと考えているからだ。大人になって社会の中でどんな仕事につ くかはわからないけれども、テーブルで素敵なたたずまいでいられるか?はとても重要。これをきちんとできるようになれば、どこへでも行ける。
今の時点でその大切さが子供にはわかっていないから、父親の自分が教える。自然に身に付くまで何回も言う。
子供も注意ばかりされていていやだと思うけれど、言い続けようと思っている。ある意味親が子供に与えてあげられるパスポートだから。
 

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本を読むことと音楽を聴くこと、これを身につければ”孤独”を感じることはない
 
夫婦共通の趣味が読書。読むことを楽しめれば本の中でいろいろな体験ができ、それはとても豊かなことだと思う。
それには、読書をしながらイメージを想像したり、感情を理解したりといろいろな感性を磨くことが必要。
それは、自分の中身を成長させることにつながる。
そして、音楽は24時間中14時間は家の中を流れている。日中はクラシックを聴くと、仕事がはかどる。ジャズ、ソウルも好き。
今、出張は多いけれども、今はオフィスが家の中にあるので、自分の時間をコントロールしやすく、子供たちとの時間も作ることが出来る。例えば、夕方、子供 たちがエリコと一緒に公園から帰ってくる。あまりにも良いお天気だと、それから家族で近所のカフェに出かける。仕事は子供達が寝てからまた再開する。これは僕にとっても子供にとっても、良い事だと思う。
 
毎日のシンプルな出来事に幸せを感じる
 
朝、起きた時に子供達が寝室に”おはようって”笑顔で入ってきたとき。
そして、 夜寝る前にお話をする時。
自分がそうだったように、毎日のこんなシンプルなことが、大人になった時に思い出す大切なひとコマだと思う。

 

 

 

Charles-Edouard BARTHES

Après des études de droit à Paris, Charles-Edouard Barthes, diplômé de langue et civilisation Russe de l’Université de Moscou (MGU), crée en 1993, à l’âge de 22 ans, sa première société en Russie.Sensible à l’esprit de la mode, à sa diversité et au luxe, il rejoint en 1995, le France LUXURY GROUP.En 1998, il saisit l’opportunité de partir à la découverte d’une autre culture et s’installe au Japon, à Tokyo, où il occupe la fonction de Representative Director du Groupe. Le choc est culturel, esthétique, émotionnel. Il apprend la langue, s’initie aux rites et aux traditions, s’éprend de la culture, et rencontre la femme de sa vie. En 2000, de retour à Paris, il prend la direction générale de Jean-Louis SCHERRER Haute-Couture. Étape essentielle de son parcours, c’est là qu’il découvrira la culture de la perfection et de la rigueur dans le secret des Ateliers.En 2005, il fonde sa propre société, MONTAIGNE. Son objectif : concrétiser et développer sa vision du luxe. Il lui donne vie avec la création d’EviDenS de Beauté , première ligne de soins anti-âge dédiée aux peaux sensibles. EviDenS est l’alliance de la technologie cosmétique japonaise et du luxe français.

<シャルル エドワード バルト>


パリで法律の勉強をした後、モスクワ大学(MGU)でロシア語とロシア文明の学位を取得。1993年、22歳のときに自身の初めての会社をロシアで立ち上げる。世界に開かれた精神、その多様性、ラグジュアリーに敏感で、1995年にフランス・ラグジュアリー・グループに入社。1998年には他文化発見の機会を逃すことなく、日本へ旅立ち、東京に居を構え、グループの現地ディレクターを勤める。日本のカルチャー、審美性、感情的なショックを受ける。日本語を勉強し、しきたりや伝統の基礎を学んで、日本文化に夢中になり、そして生涯の女性に出会う。2000年、パリに戻り、ジャン=ルイ・シェレール・オートク チュールのジェネラル・ディレクターに就任。そこで完璧な仕事への精神とアトリエの秘めたる厳格さを発見。 2005年に自分 の会社MONTAGNEを創立。その目的は自分のラグジュアリーに対するヴィジョンを具体化し、発展するため。そして敏感肌用アンチ・エイジお手入れの初めてのラインEviDenS de Beauté (エヴィダンス・ドゥ・ボテ)が誕生。EviDenS は日本のコスメ技術とフランスのラグジュアリーのアリアンス(結合)である。

 

www.evidensdebeaute.com 

 

次号は中村江里子さんのインタビューです。お楽しみに!

photo by Matsunaga Manabu
Interpreter by Jacgorno Junko
Text by chocolatmag