Family Portrait

1992年。

2枚目のアルバム[アン・プリヴェ 〜 東京の休暇]で一躍その名が知られるようになったクレモンティーヌ。

日本人の想像する”フランスの歌手”の魅力を全て持っている彼女。

フレンチポップス、ジャズ、ボサノバ。

甘く、切ない歌声は世代を超えてchocolatmagのこどもたちの心もとらえました。

去年リリースした[アニメンティーヌ 〜ボッサ・ドゥ・アニメ〜]

今年の[続アニメンティーヌ]と新しい試みも。

 

クレモンティーヌは19歳のソリーダと12歳のディエゴのママンでもあります。

どんな育て方をしているの?

子供達との素敵なエピソードは?

そして、3年前からは新しいパートナーのファブリスとの暮らしは?

 

クレモティーヌのインタビューです。

-001.CLÉMENTINE FABRICE SOLITA DIEGO

NONが言えないの、ついOUIって言ってしまう。

”愛”はいっぱいあるけれど、教育的オーガナイズが苦手なのでそういう意味では良いママンではないかも。

でも、こどもが大好きで、一緒にいろいろなことをして、たくさんおしゃべりするのが大好き。

パートナーが教育者で私と正反対の”NON”を言える人。

なのでとてもバランスがとれていると思う。

大切にしているのは、こどもたちも大きくなって夜一緒に食事をしない時も多い。

なので、一緒のときには楽しく食事をし、いろいろなことを話す。

こどもたちは私からいろいろと聞き出さなくても、自分のことを話してくれる。

それって、とても嬉しいことで、よく育ってくれていると思う。

 

公立学校と落第について。

ソリータは今年バカロレア(日本の共通一次試験のようなもの。大学へ入るための資格試験)の試験が終ったばかり。

幼稚園から高校までずっと公立の学校で学んできました。

高校1年生のときに落第をしたけれど、この学年で1回ぐらい落第することは珍しいことではないんです。

公立はできるこどもと出来ないこどもをはっきり区別するのです。

そして、1年ぐらい日本に留学させたかったのですが、彼女はサンジェルマンから離れたくないそうで、無しになりました。

 

ディエゴは今度の9月の新学期に中学1年生に進学する予定です。

でも、今通っている公立校では小学6年生をもう一度やるように勧められている。

私の考えとしては、この学年での落第はあまり意味がないと思っているんです。

というのも、やれば出来る勉強のレベルだと思うから。

男の子はほっといて勉強するコは少ない。

”がんばれー!”と、いつも励まさないとだめ。

そこで、随分前からディエゴにはキリスト教の寄宿舎の中学校が良いのではないか?

きちんとした生活をおくりながら、ちゃんと勉強をする。

これは、寄宿舎がとても有効だとフランス人は考えるんです。

今、とても良い学校が見つかったので、いろいろと相談中です。

 

絵が上手なのに書くのが嫌いなディエゴ。絵が大好きなので専攻も美術史に進もうとしているソリーダ。

ディエゴはスポーツが大好きという、典型的な男の子タイプ。

なので、絵がとても上手なのに家の中でじっとして描くのが嫌い。

フェンシングを真剣に4年間やり、コンペティションにも何回も出場しました。

最近、ロックギターを習い始めました。

ソリータはフランスの女のコがまずやるように、4歳からクラシックバレエ、そしてジャズダンスに進みました。

絵を描くことが大好きで、美術に関することを勉強していきたいそうです。

フランスは高校で自分の進む道を決めるのが一般的。

それに向けて、授業を選んだり、バカロレアの科目を決めます。

早いと日本の人には言われるけど、フランスでは決して早い訳ではない。

専門職に就く場合、中学校から選ぶこどもたちも中にはいます。

バレエ、役者、スポーツ選手、などがそれです。

 

ソリーダを妊娠中の自分の変化が好きだった。

こどもとのことで印象に残ったことは、ソリーダを妊娠している10ヶ月間。

自分の心と体の変化が毎日とても興味深かった。

お腹の中でごろんと動いたり、どんどん膨らんでいく自分のお腹だったり。

生んだ後は嬉しかったけれど、マタニティ・ブルーにもなった。

 

ソリーダが4歳のときに、親子競演をしたのもインパクトのある出来事だった。

 

そして、ディエゴが生まれたときに、ソリーダの焼きもちがひどく、彼女の言った言葉も印象的。

「ディエゴをゴミ箱に捨てたい」

今は笑い話です。

 

 

次号はクレモンティーヌのパリでの基本生活、家族とのヴァカンス、新しいパートナーファブリスのインタビューをお届けします。

CLÉMENTINE  クレモンティーヌ

パリ生まれ。レコードコレクターの父親の影響でジャズに囲まれながら育つ。88年SONY FRANCEよりデビュー。

以来、ジャズ、ポップス、ボサノヴァなど様々なジャンルで数々の作品を発表。
日本で最も愛されるフランス人歌手。今までのレコードセールスはトータル200万枚以上。

現在は韓国、台湾などアジア全土でもその人気を不動のものとしている。

2009年より4年間「京都市名誉親善大使」に任命される。2

010年7月、「天才バカボン」フランス語カヴァーなどを収録したアルバム「アニメンティーヌ」を発表。

アマゾン音楽総合ランキング1位獲得などの話題作となる。

更に11月24日、この「アニメンティーヌ」に新曲を追加したヴァージョンアップ盤「アニメンティーヌ・プラス」が発売。

2011年3月にはアルバム「続アニメンティーヌ」と「お茶の間ベスト」を発表。

2012年もボーカロイドと共演、YMOの細野晴臣さんとの共演など活動の場を広げ続けている。

クレモンティーヌ公式サイト http://www.possion-h.com/cle/
Twitter : http://twitter.com/clementine_news
MySpace : http://www.myspace.com/clementineparis
Facebook:Clementine

photo by Matsunaga Manabu

Interpreter by Misato Raillard

Text by chocolatmag