Study
-015.夏休みの宿題
2年前にLe Crotoyという海の街へヴァカンスへ行ったMEI
そのときはまだ4歳児。
この海の生物研究をしました。
そして6歳のこの夏は、同じ街で何をしようかな?
みんな機関車って知ってる? 何で動くか知ってる?
乗りごこちや汽笛の音や煙の匂いは?
そう、早いTGV(フランスの新幹線)を持ったフランスだって、昔はこんなのに乗っていたんだ。
湿地帯の中をゆっくり雄大に走る蒸気機関車に乗りました。
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Chemin de Fer de la Baie de Somme 鉄道物語
Le Crotoyというソンム地方の北の海の街からCayeux-sur-Merという街まで蒸気機関車が今でも走っています。
車なら30分で行けるところを、機関車は1時間30分かけて走ります。
その歴史は古く、今年で154歳のフランスの遺産保護路線です。
1858年5月に開通したこの線は、海辺のリゾート地へ人々を運び、海の幸、特に甲殻類を輸送するために使われました。
過去の乗客にはコレット、ジュール・ヴェルヌ、アナトール・フランスそしてトゥルーズ・ロートレックなどがいます。
でも、三つの戦争/プロシアとフランスの戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦/の影響を受け、
その度に軍事路線として使われました。
潮の満ち引きが激しい湾をぐるりと取り囲むように走るこの路線は、重要な存在でした。
その後、廃線になるのですが、1971年に再び観光列車として走り始めます。
そして、今では夏のヴァカンス時期にはこどもたちはその歴史を知ることができます。
そのひとつとして駅の中にある小さな博物館はとてもうまくできています。
昔の旅行かばん、昔の電話、昔の構内....すべてがおもしろくこどもだけではなく大人にとっても興味深いのです。
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蒸気機関車に乗ってSommeの湿地帯をを横断!
Le CrotoyからCayeux-sur-Merの1時間30分の汽車の旅は、まず客席に着いた途端にこどもたちはビックリ!
「全部木でできてるね〜」「椅子がお部屋っぽいね〜」「電車の中にクモがいる!」と大盛り上がり。
[きかんしゃトーマス]を見ているから、黒い石炭で走って、煙を吐いて走る事は知っていました。
”ポッポー!!!”ちょっと高い音の汽笛と共に走り出します。
「なんかドキドキするねー」とMEI.
横に揺れます。
ゆっくりだけど、窓が開いているしデッキへの扉も開いているので、とても早く感じる。
農家や酪農家の敷地をまたぎ、牛や羊や馬を見ながら、次は湿地帯の中へ。
ル・クロトアの街のシンボルは鶴です。
野鳥の宝庫として有名なソンムの湿地帯には白鳥、かも、鶴、カモメなど見ることができるのです。
単線なので、すれ違うためにNoyellesという駅で10分程停車します。
横付けされた別の機関車にもこどもたちがたくさん乗っています。
窓越しに手を振り合い、”ボンジュール”と挨拶をする。
とても微笑ましい光景に大人たちも心が和みます。
そして、2台の機関車はすれ違い、出発するときに高らかと汽笛を鳴らし合う。
「なんかカッコいいね〜」「でも煙は臭いね〜」などと好きなことを言いながら汽車にタップリ揺られました。
戦争の傷跡は残っているけれど、機関車に乗ってそのことも知ったこどもたち。
機関車に乗る事によってエネルギーのことを考えた大人たち。
MEIの夏休みの宿題、絵日記は「きかんしゃのおもいで」だそうです。
「来年も来たいね」とこどもたち。
そうだね、きっとこようね。
INFO:Chemin de Fer de la Baie de Somme
BP 80031-80230 St-Valery-sur-Somme
TEL: (+33)03.22.26.96.96.
acueil@cfbs.eu
photo by Matsunaga Manabu
Text by chocolatmag