Style
-009ぼくたちのvide grenier
フランスでは蚤の市が各地方で開かれているのは有名な話。
こんな物まで! というような物まで大事に再利用、再持ち主探しをする国民性です。
そして、蚤の市の様にプロではなく一般の人たちが家庭の不要品を売る市のとこをvide grenierと言います。
あまり旅行客には知られていないけれど、不要品を売るそんなスタイルが最近は人気がうなぎ上り。
(詳しくはColumn[のみの市ばなし]-001.-002.-003.をごらん下さい)
春から夏に掛けて、パリではいろいろなところでこのヴィッド・グルニエが開かれるのです。
そこで、chocolatmagのこどもたちも8歳児MOEの「私たちもやりたい!」という一言で即決。
その日がちょうど申し込みの日だったので、学校帰りに並んで場所を予約したり、
参加費を払ったり、決まり事を説明してもらったりしました。
さて、当日までわずか1週間。これから準備の毎日が始ります。
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8歳児MOEは帰ってすぐに不要品を整理し始めました。
自分の机の周りと棚にあるもの。。。
箱に入れて「はいママ!」と手渡された物はとても売れそうにない!
使いかけの消しゴム、1年生の時に使っていたプリンセスの筆箱(名前がハッキリと書かれたもの)、使いかけの、、、、物ばかりだったので「自分だったらコレ欲しい? 使いかけの物よりも古くても良いから欲しいと思う物を選んでごらん」とまたやり直し。
そして、5歳児と3歳児と一緒にしまってあるおもちゃ達の整理。
決まり事は、兄弟3人のうちひとりでもまだ使いたい人がいたら売らない。
箱に少しずつ手放す物が増えて行きます。
おもちゃは比較的3人の意見が同じでした。
しかし、ぬいぐるみとなると「えーー◎◎からもらったからダメー」「赤ちゃんの時の想い出だから〜」などとあまり減りませんでした。
その気持ちわかるなー。
で、なんとか二箱分の不要品のおもちゃが選ばれました。
さて、次はお店での値札作りです。
8歳児がイメージし下絵を描き、3歳児と5歳児が色を塗ります。
当日、見やすい様に大きく描いたそうです。
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決められたスペースは1m×2m。
会場には商品台の机も洋服ラックも自分達で用意をしなければなりません。
荷物はスーツケースに入れて運び込み、スーツケースの上に洋服などを並べることにしました。
おもちゃたちは野菜のダンボール箱にそのまま並べました。
厚手のトートバッグに帽子などの小物を入れて、後ろに植え込みの木があったので、そこに洋服を吊るしました。
朝の10時〜18時まで、1日中ここにいるのですから、椅子なども持ち込み、
お菓子や飲み物などもアイスボックスに用意しました。
お友達のスタンドが10カ所以上あったので、お互いに行き来して、まるで遊びながら1日を過ごしたのです。
大通りで大々的に開かれるヴィッド・グルニエではなく、裏通りの公園に隣接されたヴィッド・グルニエなので、毎年とてもアットホーム。
車も来ないのでこども連れでも安心してお買い物が出来ます。
そして、年々こどもの出店が増えていて、もしかしたら”こどもヴィッド・グルニエ”発祥の地になるのでは?
という勢いなのです。
公園ふたつに挟まれたのんびりとした立地条件。
毎年、この地区在住のアーチストであるSylvain氏率いるこどもアーチストが作品を展示します。
今年はさらにライブ感UPで、捨てられたビデオテープを利用して、真っ黒でピカピカの空間をその場に来ていたこどもたちと作りました。
8歳児もMOEもSylvain氏が大好き!
その日の売り上げ! ではなく8歳児MOE、5歳児MEI、3歳児MIAの戦利品です。
もしかしてこれはこども達にとって”おままごと”延長なのかもしれない。
きっかけはそんな事でも良くって、その中で買って行った嬉しそうな顔の人たちの事、
自分のおもちゃが売れた時のちょっと寂しい気持ち、おつりの計算、
袋がいる人とそうじゃない人、なかなか物が売れないジレンマ、、、、
いろいろなことを経験できたのではないか? とchocolat mamanは感じます。
「また来年もやりたいね」「うん、やろうよ!」という会話を聞いていて、そう確信を持つのでした。
photo by Matsunaga Manabu
Text by chocolatmag